Maxillaria属のランは、Epidendroideae亜科, Cymbidieae連, Oncidiinae亜連に属します。
本属は約650種が南アメリカを中心に、フロリダ、メキシコ、カリブ諸島、中米からブラジル、アルゼンチンの北部、ボリビアまで広く分布する小型の、主に着生ランです。
小型種が多く、花も大きくないものが多いです。花色や花弁の形、香りなどには幅広い変異があります。学名はラテン語のmaxilla(顎の骨)に由来します。花を横から見たときに口を開けた昆虫の顎に似ていることに依ります。
本属の植物は偽球茎の付き方によって2グループに分けられます。一つは偽球茎が密に集合して塊を作るもの或いはM. valenzuelana のように偽球茎がないもので、他方はM. ampliflora のように偽球茎どうしの間に長い節間があって離れてつくものです。
従来Maxillaia属に含められていた多くの種はLycaste、 Xylobium、 Ornithidium、 Camaridium、 Pseudomaxillariaなど近縁の属に再分類されることもあります。
Dresslerによればパナマには70種以上が分布するとされています。ここではその代表的な種を紹介します。
〇偽球茎が密に生じるもの
Maxillaria arachnitiflora:パナマとコスタリカに分布
Maxillaria camaridii:グアテマラからパナマまでの中米,
ブラジルまでの南米に分布
Maxillaria endresii:ニカラグア、コスタリカ、パナマに分布
Maxillaria fridrichsthalii:メキシコからパナマまでの中米、
ペルーまでの南米に分布
Maxillaria nasuta:メキシコからパナマまでの中米、
ブラジルまでの南米に分布
Maxillaria ringens:メキシコからパナマまでの中米、ペルーまでの南米に分布
Maxillaria sanguinea:パナマ、コスタリカに分布
Maxillaria valenzuelana:ニカラグアからパナマまでの中米、
ブラジルまでの南米、カリブ諸島に分布
Maxillaria variabilis :メキシコからパナマまでの中米、
コロンビア、エクアドルに分布
〇節間によって偽球茎が離れているもの
Maxillaria ampliflora:コスタリカ、パナマ、コロンビア、エクアドルに分布、
但し、本種とされるものには二つの型があり
写真13はエルバジェ固有
Maxillaria fulgens:ベルリーズからパナマまでの中米、
ペルーまでの南米に分布
Maxillaria graminifolia :南米に分布する種とされているが
エルバジェにも分布