COSPA パナマ野生蘭保護活動

Catasetum属

  • どんなランか

   Catasetum属はEpidendroideae亜科, Cymbidieae連, Catasetinae亜連に属し、176種を含むランの仲間です。肉質の大きな偽球形に落葉性の葉を数枚付けます。花には雌雄があって、雄花と雌花で形が異なり、偽球形の基部から伸びた花梗に雄花か雌花が付きます。通常ラン科植物の花は両性花(一つの花が雌雄両方の働きをする。)で、蕊柱に雄蕊に相当する花粉塊を格納した葯室と雌蕊に相当する蕊頭があり、蕊柱の下部には子房があります。

   花粉塊は通常ハチなどの送粉者によって別な花の蕊頭に運ばれ受粉します。ところが、CatasetumなどのCatasetinae亜連植物の花には形の異なる雄花と雌花があり、雄花の蕊柱には葯室、花粉塊と機能しない退化した蕊頭や子房あり、雌花には花粉塊はなく蕊頭と子房のみがあります。また、偽球形の成熟度合いや天候などの外的要因で雄花になるか、雌花になるかは決まるようで、時には両者の中間的形態の花も生まれ、ラン科植物本来の両性花から雌雄異形花への進化の過程を示します。

   中南米では多くのランは木の上についています。ランは植物から栄養を吸収するのではなく、自分の体を固定し、太陽の光を受光するために木の上に着く(着生する。)と言われます。ですから着生された木に害はないのですが、Catasetumや近縁のMormodesは菌類の力を借りて、木質部から栄養を取る腐生生活をします。

  • どこに分布しているか

   メキシコからアルゼンチンおよびカリブ諸島に広く分布します。しかし分布の中心は南米大陸の熱帯で、本属の起源は南米大陸にあり、ごくわずかの種が中米やカリブ諸島(キューバ)にも分布域を拡大したと考えられます。

   同じCatasetinae亜連のMormodes属やCycnoches属はCatasetum属より新しく分化した仲間で、分布の中心はCatasetum属より北にあり、中米にも多くの種が分布します。

  • パナマにある種は

パナマには次の3種が分布します。

Catasetum bicolor

Catasetum bicor, casa de Antioco,Anton

   パナマ、コロンビア、ベネズエラ、ブラジルに分布。低地の熱帯雨林で見られる。パナマでは乾季前の9月から11月に咲くことが多い。

Catasetum maculatum

   メキシコ、ニカラグア、コスタリカ、パナマから南米コロンビア、エクアドル、ベネズエラ、ブラジルに分布する。明るい熱帯雨林で見られる。パナマでは乾季前の9月から11月に咲くことが多い。

Catasetum viridiflavum

   ホンジュラス、パナマ、コロンビア、エクアドルおよびペルーに分布する。低地の熱帯雨林にみられる。パナマでは乾季前の9月から11月に咲くことが多い