COSPA パナマ野生蘭保護活動

Epidendrum属

   Epidendrum属はEpidendroideae亜科EpidendreaeLaeliinae亜連に属するランです。
   Epidendroideae亜科の中でも新しく分化した属です。ラン科植物の中では進化の頂点ある仲間と言えるでしょう。 茎は葦のように細長く、花は一般に小型で花弁と萼片は明確に分かれているが、唇弁は蕊柱と癒着している。着生または地生する種もあります。
   世界中で広く栽培されていてホームセンターなどで見かけます。

   Epidendrum属は1500種以上、Pleurothalis属と並んで種数が多いです。
カリブ諸島を含む熱帯アメリカに広く分布します。
   63%の種は南米大陸の西側、太平洋に面したアンデス山脈に分布し、25%は中米諸国に、5%は南米大陸のカリブ海に面する北側に分布。4%は南米大陸の東南ブラジルやアルゼンチンの太平洋側に、4%がカリブ諸島に分布しています。

   Epidendrum属には多くの形態が異なる植物が含まれ、将来的には多くの属に分けられると思われるが、現在は形態的に異なる80以上のGroupに分ける研究者もいます。
   これらの中でも100種以上の多くの種を含むGROUP Andeanなどはほとんどがアンデス山脈の西側に分布し、Epidendrum属の基になった植物はアンデス山脈に起源があると考えられます。
〇アンデス山脈固有の仲間(GROUP Andean)、
〇パナマから中米諸国メキシコに分布した仲間(GROUP Oerstedellaなど)、
カリブ海に面した南米北部に向かったグループ(GROUP Difformeの一部など)、
〇南米大陸南東部の大西洋側に向かったグループ(GROUP Equitantes Pabstなど)や
〇中米、南米北部からカリブ海を渡ってカリブ諸島に達したグループ(GROUP Difformeの一部など)があります。

   パナマでは300種以上が報告されています。よく見かける種だけでも20種を下りません。特に印象深い種を紹介します。

                 分布
Epidendrum allenii コスタリカ、パナマ、エクアドル
Epidendrum anceps  中央アメリカ、カリブ海沿岸、アンデス
Epidendrum barbeyanum ニカラグア,コスタリカ、パナマ、ベネズエラ
Epidendrum ciliare  メキシコ、中央アメリカ、カリブ海沿岸、
    トリニダード・トバゴ、南アメリカ北部、アンデス
Epidendrum coronatum  中央アメリカ、 トリニダード・トバゴ 、
     ベネズエラ 、 アンデス
Epidendrum crinciferum  ニカラグア、コスタリカ、パナマ、アンデス
Epidendrum incomptum  メキシコ、グアテマラ、コスタリカ、パナマ、
    コロンビア
Epidendrum lockhartioides  コスタリカ、パナマ、コロンビア、エクアドル
Epidendrum noctrnum  フロリダ、カリブ海沿岸、トリニダード・トバゴ、
    メキシコ、中央アメリカ、アンデス、南アメリカ北部
Epidendrum notabile  コスタリカ、パナマ
Epidendrum parkinsonianum  メキシコ、中央アメリカ
Epidendrum pseudepidendrum  コスタリカ、パナマ
Epidendrum radicans  カリブ海沿岸、メキシコ、中央アメリカ、
    ベネズエラ、コロンビア
Epidendrum ramosum カリブ海沿岸、トリニダード・トバゴ、
    中央アメリカ、南アメリカ北部、アンデス
Epidendrum rousseauae コスタリカ、パナマ、コロンビア
Epidendrum schlechterianum  パナマ
Epidendrum stamfordianum   メキシコ、中央アメリカ、コロンビア、
    ベネズエラ