COSPA パナマ野生蘭保護活動

「エコツーリズムによるAPROVACAの活性化」プロジェクト第5回


この様に多様性に富んだパナマのラン科植物にも絶滅の危機が迫っています。熱帯の農業は焼畑が基本です。熱帯雨林を切り開き、植物を焼き払ってできた灰分を肥料として農作物の栽培を行います。熱帯の激しい降雨によって肥料分は流亡し、まもなく土壌は貧困になります。すると農民は新たな土地を求め焼畑を繰り返します。焼畑によって失われる熱帯雨林には多くのラン科植物が生育しているのです。

それだけではありません。パナマは発展途上にあり、近年土地の開発が急激に進んでいます。唐突ですが「ランの絶滅の原因はケンタッキー・フライドチキンだ」と言ったらびっくりするでしょう。パナマの都市部ではファーストフードのフライドチキンが大流行です。そのため、企業的な大規模養鶏が行われるようになりました。パナマは熱帯の国ですから、低地は暑過ぎて鶏の肥育が良くありません。企業は肥育効果の高い山岳部に残された熱帯雨林を大規模に伐採して養鶏場を作ります。更に、国の経済が豊になり、外国から多くの人が移住してきています。そのため環境に配慮することなく高原地帯に大規模別荘団地が造成されています。これらの理由から手付かずの熱帯雨林が減少し、熱帯雨林に生息する多くの野生生物が絶滅の危機に瀕しています。パナマのランには分布範囲の狭い固有種が多く、特に危機的状況にあるといえましょう。

パナマはどこでも熱帯雨林に覆われていると思われるでしょう。けれども第二次世界大戦後パナマの森林は急速に失われ、本来は熱帯雨林の国も今や森林被覆率が日本より低くなってしまいました。この被覆率には隣国コロンビアと接するダイリエン地方の未開の大森林地帯も含まれていますので、開発の進んだパナマ西部の森林被覆率は一層低いものです。その上、パナマでは植林が奨励されていて、この値には植林地も含まれています。植林の対象樹種は外来樹種のユーカリやチークが多く、これら外来樹種の森にはパナマ本来の生態系は戻ってきません。

ラン科植物の絶滅に拍車をかけているのが自然の森からの乱獲です。山に住む貧しい人たちは生活の糧を得るために熱帯雨林からランを採取し、市場や観光地で販売しています。山に住む人たちが週末市場で野生ランを販売すると、主婦や子供でも50ドルほどになるそうです。一家の主が別荘番や草刈をやっても日当10ドルほどにしかなりません。ですから、農業に適した土地もない山の人達はランの採取と販売をやめられないのです。

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