
このように絶滅が心配されているパナマの野生ランを保護する活動がわが国の国際協力機構(JICA)の支援で2000年からエルバジェ デ アントンで始まりました。この村はエルバジェ火山のカルデラ内にあり、この火山の熱帯雲霧林にはパナマでもここにしかない多くの固有種が生育しています。

2001年には地元住民の市民組織APROVACA(エルバジェ及びカブジャラン栽培者協会)が設立され、2002年3月にはラン保護センターCEPROVACAが設立され、野生ランの栽培が始まりました。ラン保護センターには栽培施設、講習施設などが作られました。

2003年にはパナマの野生ランを守る活動COSPAが日本で動き出しました。COSPAは毎年APROVACAにボランティアを送り、APROVACAの活動を支援してきました。とりわけ、COSPA会員三浦ふづきさんは2003年から度々APROVACAに派遣され、現地の人々と協力して、絶滅が危惧されるパナマ国花エスピリトサントのオーナー制度を確立するなどの成果を挙げ、2005年にはパナマに定住し野生ランの保全に当たりました。残念なことに三浦さんは2006年1月7日エルバジェで活動中に倒れ、17日に永眠されました。

以上がエルバジェにおける野生ランの保護活動の経過ですが、その活動から見えてきたことは、まだ現地には「パナマの自然はパナマ人自身が守る」と言う意識と体制が整っていないことです。即ち、パナマの人たちは世界的に貴重な豊な自然の中で日々暮らしていて、自分たちが大切なものを持っていると言う意識が欠けてしまっているのです。COSPAは、パナマの人達に如何に大切なものを持っているのか認識してもらう方法は「自然保護が住民の生活に有益で、利益があることを示す」であると考えています。