
私たちCOSPAとともにランの保護活動を行うパナマ側の組織APROVACAのセンターがあるパナマ共和国Cocle州Antón郡のEl Valle de Antón(以下エルバジェと省略)についてのお話です。

エルバジェはパナマ共和国有数の山岳リゾートで、わが国で言えば軽井沢のようなところです。Wikipediaにはエルバジェについて次のようなことが書かれています。
「市街地はエルバジェ休火山の直径6kmの平坦な火口原に位置している。この火山は最近では30万年前に噴火した。観光地としてはChorro Machoの滝、Las Mozasの滝、四角い樹、温泉や絶滅危惧種である黄金のカエルなどが挙げられる。 面積:34.8㎢ 人口:7,602」


- 地形
パナマ共和国の国土全体は地質学的にはパナマ地峡と呼ばれます。パナマ地峡は今から350万年ほど前に中米コスタリカと南米コロンビアの間に形成されましたが、エルバジェ周辺の地形について言えば300万年ほど前からエルバジェの北側のLa Mesa火山が活動をはじめ、200~150万年前にはエルバジェ火山が噴火して、火口は火口湖となりました。100万年前にはその周りに3個の溶岩ドームができ、外輪山になりました。そしてアントン川断層が火口南側から太平洋まで形成され、火口湖の水は太平洋へと流れ出ました。さらに、4.5万年前リオマルが噴火、3.4万年前マタアオガードが噴火してエルバジェ火山の噴火活動は終焉しました。したがってエルバジェ火山の特徴は次の通りと言えます。
- エルバジェ市街の周辺の高台、ラメサ、マタアオガードなどは一連の火山活動の結果形成された。
- エルバジェ火口原は火山活動の結果だけでなく、火口湖の決壊によりできた。
- エルバジェの火口原は中央アメリカで最大である。




- 動植物
エルバジェで特質すべき植物は、生きた化石と言われ非常に古い形質を持ったヤシの仲間Zamiaや数百種のラン科植物(そのうちの10種以上はエルバジェ固有種)などである。動物の種類も多く、北米を起源とするジャガー、ピューマなどのネコ科猛獣やシカの仲間、南米を起源とするホエザルなどの猿、バク、Conejo(ウサギの仲間)、Ñeque(ネズミ目)、ミツユビナマケモノ、アルマジロなどがある。また、爬虫類では多種の毒蛇、両生類では黄金のカエルなどが有名である。鳥類ではTucan(オオハシ)、オウム、ハチドリなどが多く、蝶類だは特にモルフォチョウが有名。



- 原住民及び地域住民
エルバジで知られる最も古い原住民の痕跡は疑いなくIndia dormida山麓のPiedra pintadaであろう。エルバジェにはPiedra pintada以外にも多くの原住民の遺跡や墓の痕跡が残されている。最初に入植者がエルバジェに入ったのは1860年頃とされている。当時はコーヒー栽培や牧畜がおこなわれていた。そして1928年にはこの地を夏の避暑地として利用する人たちが入ってきた。つまり今日の山岳リゾートとしてのエルバジェを築くもとになったのは今から100年ほど前にこの地に大規模な別荘を作り、首都パナマから避暑に来た人たちだと言えよう。

- 交通
エルバジェは首都パナマ市の西約120Kmに位置し、パンアメリカンハイウェーを走って、Las Uvasの村から北にエルバジェ火山を約20Km 登り、火口壁を一気に下るとエルバジェの市街地の入り口に到着する。入り口からAPROVACAまでは約1Km、市街地の中心までは約3Kmである。パナマ市からエルバジェ行きのバスはアルブルックのバスセンターから30分おきに出ている。所要時間は2時間程度。金額$4.25